田中光子議員・議案第27号 交流拠点施設整備事業 設計施工一括契約について

議案第27号 交流拠点施設整備事業 設計施工一括契約について
 私は、本議案に対し、反対の立場から討論を行います。

 本事業が掲げる「町民の交流」や「子育て支援」という目的そのものを否定するものではありません。しかし、町民の将来と町の財政健全性を考えたとき、現状の計画には看過(かんか)できない課題があると考えます。

反対する理由は、大きく分けて3点です。
 第一に、既存施設の「引き算」が全く示されていない点です。
 三股町には、築50年を超える中央公民館や庁舎など、老朽化した公共施設が山積しています。本来、新たな拠点施設を作るのであれば、これら古い施設の「いつ、どこを、どのように閉鎖・解体し、維持管理費をいくら削減するのか」という具体的な工程表がセットで示されるべきです。
 「検討する」という言葉だけで新築を先行させることは、将来にわたり二重、三重の維持管理費を積み上げることに他なりません。これは、将来世代に大きな負担を残す可能性があると言わざるをえません。

 第二に、ランニングコストと事業の収益性に対する不透明さです。
 約20億円という巨額の事業費に加え、完成後には多額の運営・維持費が毎年発生します。
民間との「第6セクター方式」を標榜(ひょうぼう)していますが、物価高騰や人件費不足が続く中、想定通りの収益が上がらなかった際の補填(ほてん)の責任は、最終的に町民の税金に跳ね返ってきます。
そのリスク管理と町民が納得できる具体的な収支シミュレーションが不足しています。

 第三に、町民の真の理解が得られているかという疑問です。
 ワークショップ等で一部の意見は吸い上げられていますが、多くの町民は「今の施設はどうなるのか」「なぜ今のタイミングなのか」という疑問や不安を抱いています。既存施設の統廃合という「痛みを伴う計画」を隠したまま、理想ばかりを掲げて契約を急ぐ手法は、誠実な行政の姿とは言えません。

 以上のことから、既存施設の廃止スケジュールを明確にし、町全体の施設総量を抑制する具体的な道筋が示されない限り、本契約を認めることはできません。
私たちは、新しい箱モノを建てる「華やかな事業」に目を奪われ、その裏で増え続ける維持管理費という将来への白紙委任状に判を突こうとしています。古い施設の解体時期も示さない本議案は、現時点で責任ある判断を下せる状況にあるとは言えません。
 今、私たちがなすべきは、新しいものを建てること以上に、今あるものをどう整理し、持続可能な三股町を創るかという責任ある決断です。
 よって、議案第27号に対し、反対いたします。

議案第20号『令和8年度三股町一般会計予算』に対し、反対の立場から討論を行います。
本予算案には、子育て支援や地域福祉、「文教のまち」の維持・発展に向けて積極的な投資が行われ教育環境の整備など、町民生活の向上に資する重要な施策(しさく)が多く盛り込まれており、その必要性については十分に理解しております。
また、この議案にはITなどの最新技術と人に寄り添う支援のアピアランスケアや物価高騰対策や家計支援、また地域公共交通の進化などを両立させている点が非常に優れていると考えます。
しかし『交流拠点施設整備事業』については、以下の重大な懸念を拭(ぬぐ)い去ることができません。

まず財政負担と持続可能性への懸念です。
本事業は建設費に総額約19億4千万円規模を見込む大規模事業であり、物価高騰が続く中、さらなるコスト増や、将来にわたる維持管理・運営費の増大が懸念されます。
これが町財政を圧迫し、結果として他の住民サービスに影響を及ぼす可能性は否定できません。
次に優先順位の問題です。

住民からは、通学路の安全確保、側溝整備、デマンド交通の充実など、比較的少額で対応可能な「切実な課題」が数多く寄せられています。
それらが十分に解決されていない中で、約19億円規模の事業を優先することが、果たして住民目線の判断と言えるのか、強い疑問を抱かざるを得ません
『町民とともに考える』としながらも、これだけの巨額投資に対し、現時点で全町的な納得が得られているとは言い難い状況です。インフラの老朽化対策や防災力の強化など、今優先すべき課題とのバランスを欠いていると言わざるを得ません。
総務省が推進する「公共施設等総合管理計画」では、新しい施設を作る際は「既存の古い施設を壊して機能を移転する(統廃合)」がセットであるべきとされています。
結論として、本来であれば個別に評価すべき施策も多く含まれておりますが、予算は一括での採決となります。

本事業の規模、判断材料の不足、将来への影響の大きさを踏まえ、予算全体を認めることはできないと判断し、苦渋の決断ではありますが、本予算案に反対いたします。
本事業について、規模の見直し、判断基準の明確化、そして住民への丁寧な説明を強く求め、私の反対討論を終わります。
   
と田中議員の反対討論です。